阿修羅城の瞳
2006/01/28 20:52 - あ行
ロケ、セット、CGと、邦画にしては健闘してるじゃんとスクリ-ンに釘付けでした。しかしよりにもよって、感動的であるべきクライマックスでここまでズッコケさせるとは、あ、ぉ恐れぇ入谷ゃの鬼ぃ子母神~(見得切り)、ってな感じでしょうか。
舞台と客席の一体感を何よりも優先する演劇の文法は、それゆえに小屋の中では凄まじいパワーを生み出すもの。しかしその文法をそのまま映画に持ち込むのは如何なものか。
小屋の中でならば、ライブ感を優先した、状況に全然そぐわない受け狙いの台詞でも、笑いが取れて盛り上がるんなら大いにけっこう。でもフィルムでそういうことはやらんでもらいたいもんです。「お前の血、おいしゅうございました」はいくら何でもあんまりというもの。
あと、ケレン・ハッタリ・破天荒といった、演劇が持つ魅力を中途半端にしか取り入れてないのも残念なところ。
闇のつばきが屋根から屋根を飛び回るシーンにどうしてCG使うかなぁ? そこをワイヤーアクションにしなくてどうすんの?
そして中村座桟敷。出門グルーピーが持つ看板のハートマークのような時代考証無視は演劇だけでなく、映画でも活きる部分。もっと取り入れてほしかったです。
まぁそんな不満はあるけれど樋口可南子の存在感はよい。しゃべり方や鬼モードの一重瞼メイクにグッときました。