インビジブル
2006/10/10 21:14 - あ行
いまだかつてこれほど素晴らしいオープニングシーケンスがあっただろうか。
コロイドの中をユラユラと漂うアルファベットが、逐次整列して、有意な文字列を構成する。
イン・ビトロで美しい、あまりにステキ過ぎるこのオープニングに影響されて、こんな Flash 作品まで作ってしまった私です。
それだけグレートなオープニングに比べて、本編の方は、吐瀉物、血みどろ、ヴァイオレンスとヴァーホーヴェン作品おなじみの要素はそろいつつも、自分としては今ひとつ。
「ロボコップ」や「スターシップ・トゥルーパーズ」に溢れていたヴァーホーヴェンらしいアイロニカルなユーモアが感じられなかった。
完全匿名を手に入れたとき、人はあっけなく堕落する。
そんな匿名性の魔力の強さ恐ろしさ、人の心の弱さ脆さをテーマとするならば、傲岸不遜なエゴイストではなく、ヒューマニズムあふれる人格者を主役に据え、そんな高潔な人間ですらも悪の道へと陥っていく、そんな過程を描いた方が、よりテーマが強調されるのではないかなぁと。
それはともかく、スーパーマンとワンダーウーマンの小咄は笑えんと思うな。