着信アリ
2006/10/21 21:05 - た・だ行
着信番号表示という特性から、自らのケータイから自らのケータイへ電話がかかるという不条理性を印象づける。
電話帳登録という特性から、ケータイを開かずとも、かけてきた電話が自分のものであるという恐怖を抱かざるを得ない状況に陥れられる。
そして、死の予告電話はチェーンメールのように電話帳から電話帳へと伝搬するため、登場人物たちは誰もが次は自分かも知れないという恐怖を抱く。
呪いのモチーフがウィルスだった「リング」に対して、この「着信アリ」はコンピュータウィルスを呪いのモチーフとしている。
携帯電話というアイテムの特性と都市伝説的恐怖感の融合ぶりはなかなかお見事。 さすがはトレンドメーカー秋元康の面目躍如といったところでしょうか。
と思えたのも吹石一恵がTV局入りするまでの話。
「呪怨」や「シックスセンス」、「ジュラシックパーク」などからパクってんのは、まぁご愛敬としても、旧加賀美病院に舞台が移ってからの展開は、陳腐すぎて失笑すら出ません。
しかも、こともあろうに「いろいろな謎がありますが、これは小説版を読めば分かります」と来るに至っては唖然とする以外なすすべがないですよ。
映画は映画の中だけで完結させてほしいもの。
いくら商業主義に走るにしても最低限の仁義ってものはあるはずでしょう。