スキャナー・ダークリー
2007/01/03 16:23 - さ・ざ行
分からない。
なぜこういう映像手法を選択したのかが分からない。
別に斬新というわけじゃない。
とりわけ美麗ってことでもない。
実写映像にトゥーンシェーディングみたいな効果をかけてカートゥーン風の映像にしているのかと思っていたら、聞けば、そうじゃなくてワンカットずつ実写フィルムを手書きでトレースしてるそうじゃないの。
つまりは二度手間であると。
なぜこんな表現に対して、そこまでムダな労力、過度な人手、不要な資金、多くの時間を費やすのか。理解できない。
普通にカートゥーンじゃダメなのか。
実写にCGIをかぶせたんじゃダメなのか。
まったく理解に苦しむ。
一番最初のシーンは、人物が半端なくカートゥーンで、そのあまりに平板さゆえエラくチャチに見えて非常にガッカリしたんですが、まぁそれはきっと狙いなんでしょうから置きます。
でもその精度を映画の最後まで保つんならともかく、カット毎のカートゥーン度にムラがあり過ぎですよ。
寄ったカットはちゃんとカートゥーンしてるけど、ロングショットはちょっと粗目の実写そのままにしかに見えない、とか。
いやカット毎どころかカット内にもムラが目につく。
人物はカートゥーンだけど、背景や物体はほぼ実写そのままに見えたりする。
それはムラじゃなくて、人物を浮き立たせるための狙いのつもりなのかも知れないが、人や物のリアルな動き以外に実写の陰がチラつくのは、単なる中途半端としか見えません。
これじゃ、わざわざ手間暇かけてこういう手法を採る意味がないんじゃなかろうか。