THE 有頂天ホテル
2006/02/02 21:25 - あ行
いやぁ三谷幸喜は巧いねぇ。
とあるイベントが次のイベントを生み、そのイベントがまたその次のイベントの引き金となる。 あるときは複数のイベントが同時に起動し、あるときは以前のイベントが伏線だったことに気づかされる。
たたみ込むような展開と、しんみりしっとりした展開の配列の妙。ゲラゲラもヒヤヒヤもドタバタもキッチリ。 複雑に入り組んだ人間関係が破綻することなく、不必要なキャラはおらず、そして誰もがハッピーな大団円。
この練り込まれた脚本は本当にすばらしい。
そして実力派個性派が揃いまくった贅沢な役者陣もすばらしい。
アップテンポな展開の場面では、舞台だと勢いばかりが優先され、 早口過ぎて何言っているか分からない場合が往々にしてあるんだけど、 映画ではそういうのがなく、ちゃんと台詞が聞き取れるのも役者の力。
津川雅彦なんか声だけで場面を引き締めるんだから、本当に凄いよなぁ。
でもまぁ一番の萌えキャラはオダギリジョーかも知れません(笑)。
こういう映画を観させてもらうと、邦画もまだまだ捨てたもんじゃないなぁと嬉しい反面、三谷幸喜は映画畑じゃなくて演劇畑の人なんだよなぁと寂しさも反面。