シン・シティ
2007/04/22 22:57 - さ・ざ行
要所要所に色を差すモノクロームベースのその映像は、とても美しく蠱惑的。
でもこの映画は、その映像に魅了されるためだけのものなので、ストーリーの方はと言えば、お粗末とまでは言わないけれど、「何かもうどうでもいいや」なレベル(もっとも、この映画はストーリーなんて志向していないけどね)。
それと、原作であるコミックスに忠実であろうとし過ぎたせいなのか、他のシーン群とはあまりにも不釣り合いなまでにマンガ的表現になってしまっているシーンが散見される。それが興醒めで実に残念。
ドワイトが手榴弾で車もろもと吹っ飛ばされるシーン程度はまだ我慢できるとして、マーヴが敵の口を割わせるためにおこなった顔面走行のシーンにはガックリ。
まぁこのシーンの問題点は薄っぺらい合成だけじゃなくて、真横から捉えた1カットという単調なカメラワークにも問題があるんだろうけど。
コミックと実写はその特性が違うんだから、いくら合成ベースの実写映画とはいえ、もうちょっと現実味のある絵でも良かったんじゃないかなぁ。
とはいえ、この映画の映像のパワーはそれらの欠点を補ってあまりあるくらい力強いことは間違いないでしょう。
実にスタイリッシュかつビューティフル。 白と黒の強調したコントラストもステキなら、色の使い方も実に効果的だと思う。
これだけの映像が堪能できた、ということには敬意を表するべきかも。
ジェシカ・アルバも萌えるしね。