大帝の剣
2007/05/04 23:54 - た・だ行
映画化発表があったときに思いました。
ずいぶん懐かしい小説を引っ張り出してくるなぁ。
オレ割と好きなんだよなぁ、読んだのはずいぶん昔だからだいぶ忘れているけど。そういえばずっと中断しっぱなしだなこの小説。
でも夢枕獏作品を、アニメならともかく、実写でなんかやれるのかなぁ、「超高層ハンティング」は、何だかなぁ、な映画だったような記憶があるよなぁ。
そんな感じで、期待半分、疑念半分。実はけっこう期待しました。
でも誰が監督するのかを知ったとき、これはちょっとマズいかも、と私のメーターは失望側に一気に傾いたのでした。
そして……
映画を観終えての第一声は、TVスポットのラストと同じ「あららららぁ~~~」という嘆息であったのは申すまでもありません。
観てはいないけど「明日の記憶」はかなり生真面目な作品だというし、「サイレン」はシリアスだったし、と淡い期待を抱いていたんですが、よりにもよって、くっだらないおちゃらけ満載の「トリック」系で来るかぁ…… 娯楽=おちゃらけなのかなぁ、この監督にとっては……
まぁ、それはまだ我慢ができましょう。
もっとひどいのはそのシナリオ。
なぜ源九郎を死なせる必要があるのか。
そしてなぜヒロインの涙で復活などという陳腐かつ安易な展開をせねばならぬのか。
ランがいるから甦ったなどという理屈の話をしているんじゃない。
正義の側が壊滅寸前・絶体絶命の危機に陥りるも、仲間で力を合わせて最後に悪を粉砕する。
なぜ、今どきこんな展開を何の衒いもなくスクリーンで流せるのか、そのメンタリティにおおいに疑問を感じると述べているのです。
仮面ライダーや戦隊ものならともかく、夢枕獏原作作品ですよ?
まさかこれで、観る側がカタルシスを得るなんて本気で考えているんだろうか、この脚本家は。
聞いたことない脚本家なんでざっとネットで調べてみたら、かなり問題のある人つーかグループのもよう。
「ガンドレス」が出てくるとは思わなんだ。
江守徹、 津川雅彦、 本田博太郎というカッコいいオヤジたちの語りや演技を堪能できたのが、せめてもの救いですかねぇ。