ActionScript 3.0 アニメーション
2007/11/05 22:20 - Flash参考書
これはとってもビミョーな書籍です。買おう買うまいか、かなり迷います。
実は私、立ち読みをしただけでまだ買っていません。
ここで誤解のないように初めにハッキリさせておきますが、この本の内容自体はとても素晴らしいものです。 純粋に内容だけで考えると即買必至でしょう。
買おう買うまいか迷う本が即買必至ってどういうわけだ、矛盾してんじゃねーか、おい! とお考えになる前に、まずは続きをお読みください。
購入を躊躇させるその原因はただ一つ。
7,000 円+消費税 350 円という値段です。 総計 7,350 円というこの値段設定がえらくビミョーだなぁと私は感じました。
この「ActionScript 3.0 アニメーション」(以下『翻訳本』と標記)という本は、friends of ED という出版社から出ている " Foundation ActionScript 3 Animation: Making Things Move!"(←の本、以下『原典』と標記)という本の翻訳です。『原典』の値段は $39.99 です。
Amazon.co.jp では 2007/11/5 現在、4,334 円(税込)になっています。
『翻訳本』(7,350円)は『原典』(4,334円)の約 169.6 %の値段に設定されているわけです。
もちろん翻訳の労に対する対価は支払ってしかるべきですが、それにしても七割増という値段設定はどうなのよ、とちょっと釈然としない感が募ります。
『原典』の内容に加えてそれなりのアペンドがあるなら別ですよ。
でもざっと見た範囲ですが、書籍の内容は『原典』をそのまま訳したもの、ダウンロードできる as ファイルはコメントや trace 文の引数をそのまま訳したものに過ぎないようです( as ファイルは『翻訳本』『原典』それぞれ出版元のサイトから、制限なくダウンロードできます)。
もうひとつ購入を躊躇わせるのは、自分の英語力の養成という観点からです。
コーディング周りに限らず、各種の情報や知識を得るに際して、英語文献に当たれるか否かでは、取得できる情報量・知識量に圧倒的な差が出ますよね。
英語の本やサイトを読んで、おおまかでいいから意味が掴める程度の英語力は持ちたい、英語アレルギーをできるものなら克服したい、と私は考えています。
そういった観点からすると、この本1冊買うよりも、あと 2,000 円くらい追加して英語本2冊(例えば『原典』と下記リストの中から1冊あたり。値段は 2007/11/5現在 Amazon.co.jp での税込価格)買って reading に少しでも慣れる努力をした方が、自分のためになりそうな気がするなぁ、という想いがぬぐえません。
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Essential ActionScript 3.0
(5,433円)
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ActionScript 3.0 Design Patterns
(4,828円)
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Advanced ActionScript 3 with Design Patterns
(4,828円)
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Object-Oriented Actionscript 3.0
(4,938円)
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Foundation Actionscript 3.0 with Flash CS3 and Flex
(4,327円。近刊)
まぁ「辞書を引く労をかけて本をゆっくり読み解くのか」それとも「そういった時間と労力は金で贖い日本語で手早く知識を得るのか」てな感じで、大まかに言ってしまうと、知識を取得するコストとして「辞書を引く労力と時間」と「金」と、いずれを対価として支払うのかというのが『翻訳本』を買うのか『原典』を買うのかの分かれ目になるんでしょうか。
会社の経費で落とせるとか、七割増という値段もリーズナブルと思える人は『翻訳本』を買えばよいでしょうし、金はキビシイけど時間は取ることができるとか、英語力の自己啓発に励みたいという人は『原典』購入を選択肢に加えてもいいんじゃないでしょうかね。
で、私はと言いますとこのエントリーを書きながら考えをまとめた結果(書きながらだと考えがまとまりますよね、というか逆に、考えがまとまらないと文章として書けないワケですが)、『原典』の方を買おうかなーと思い始めています。
ただ、この「ActionScript 3.0 アニメーション」の価値は内容が優れていることだけではありません。
今はまだ数少ない、全編 ActionScript 3.0 の日本語で記述された書籍であるという点も、刮目すべき重要なポイントです。
「ActionScript 3.0 ゲームプログラミングブック」「Adobe Flash CS3 詳細! ActionScript 3.0 入門ノート」に続く三冊目の日本語文献ですよね。
その点は加算評価してしかるべきと思います。