着信アリ Final
2007/11/16 22:02 - た・だ行
そーかー、明日香は自分の家にサーバ立てていたのかー。天才女子高生ハッカーだねー(棒読み)。
などという皮肉はさておき。
携帯電話にかかってきた音声通話は自分の声だったというコンセプトは、実に不条理きわまりないユニークなものだったと思う。
でもそれがいつの間にやら、呪いの携帯メール受信にすり替わってしまい、ありきたりな都市伝説的怪異譚になってしまったのは、ちょっと残念ですね。
しかし注視すべきは、そのメールを転送することにより自分に降りかかってきた呪いを、一度だけ他人に振り向けることができるという属性の付与。
この設定により、人間のエゴイズムをとても醜い描写を使って炙り出すことができた。
この点はおおいに評価してよいと思う。
そんな人間の暗部を、こっちが鬱になるくらい延々と見せつけ続ける映画になっていたら、神認定ものだったんだけど、思い出してみたら「着信アリ」シリーズのターゲットは若い女性だったっけ。
だから、そんな描写ばかりを続けられるわけもなく、自己犠牲を伴う愛情や友情、見も知らぬ他人を助けるための連帯感といった、偽善溢れる自己満足な感動物語に移行するのは、やはり致し方ないんでしょうね。
私としては、コンピュータやサーバ、ネットワークといった現実の考証をあまりにも軽視していることにショックを受けたんですが、やはり若い女性向けには、そういう現実的な理性よりも、自分本位な感情に訴えた方が効果的なんでしょうね。