京極夏彦アフィリエイト(1)~京極堂シリーズ~
2008/01/18 22:59 - アフィリエイト
京極堂シリーズ本編
姑獲鳥の夏
魍魎の匣
狂骨の夢
鉄鼠の檻
絡新婦の理
塗仏の宴
宴の支度
宴の始末
陰摩羅鬼の瑕
鳥山石燕「画図百鬼夜行」シリーズに登場する妖怪を、推理小説の体裁を借りて、解釈をおこなう在野の研究者による学術論文として、私はこのシリーズを読んでいます。
憑き物落としと称した妖怪解釈シーンは、知的好奇心を実に刺激しますね。
ただし、折り返し点以降(「陰摩羅鬼の瑕」「邪魅の雫」)憑き物落としをしていない、「邪魅の雫」に至っては『邪魅』が出てこないというのが個人的には大ショック。
次巻「鵺の碑」が不安なところ。 本当は、ヌエは「鵺」の方ではなく、[空鳥](空に鳥)の方ですが、この字で代用しました。
ところで、なぜノベルズや単冊文庫ではなく、分冊文庫をリストアップしているかというと、カバーに鳥山石燕「画図百鬼夜行」の妖怪絵を使っているから。
石燕の模写はともかく、妖怪フィギュアは勘弁してもらいたいものです。
サイドストーリー
「百器徒然袋―雨」「百器徒然袋―風」をなぜリストアップしていないかというと、ストーリー展開のため、ムリヤリ妖怪をこじつけているからです。
『五徳猫』は鍛冶が嬶(「桃山人夜話」じゃねーか)だし、『雲外鏡』は苦し紛れに「雲外鏡」という単語をちょろっと出すだけだし、『山颪』に至っては泣きそうになりました。 妖怪解釈という観点からはほど遠い。
おいおい何言ってんだよ、そもそもこれは小説であって、榎木津の傍若無人さが楽しいし、読み物として笑えるし、面白いからいいじゃんか、というご意見はご説ごもっとも。
でも、私が求める京極堂は、物語としての面白さではないので、榎木津編二冊について、私が消極的評価を下すことをご寛恕願いたいところ。
なお、「どすこい」を読む限り、私と京極夏彦との笑いのツボは大いにズレているようです。