「墓場鬼太郎」第8話『怪奇一番勝負』雑感
2008/03/03 22:35 - 墓場鬼太郎
ただ一点を除いて、そのあまりの原作再現度の高さに驚愕、原作派の誰もが大満足であろう一編が今回の「怪奇一番勝負」です。
尺の関係でショートカットしている部分はもちろんありますよ。
村田が出版社に持ち込んで拒否される場面とか、大家の婆さんから仕事を斡旋される場面とか、漬け物石の一件だとか、金丸の妻が家にやって来る場面だとか、ラストシーンだとか、省かれたり、短くされたりしていますが、でもこれは最小限の改編であり何の問題もない。
そして脚本面は言うに及ばず、絵的な面も驚くくらい原作そのままで感動しました。
「怪奇一番勝負」所収巻
「ハヒフヘホ」があそこまで原作に忠実な構図で見ることができるなんて。
そして案内人。歩むたびにかしぐ上半身、前後に振られる腕、ブラブラゆれる足。
手間かかってますねー。原画と動画にかなりの枚数をかけていると見た。
リモコン手もしっかり描かれているし。
すばらしい。実にすばらしい。
そんな感涙にむせびそうなほど素晴らしい第8話に水を差すただ一つの問題点といえば、やはり案内人の態度。これに尽きましょう。
なんでこんなに居丈高なのか。
せっかくここまで原作に忠実な作りなんだから、案内人の性格設定も原作をそのまま踏襲すれば良いと思うんですけどねー。
おおかた、このアニメでは鬼太郎の性格を全編とおして悪辣に描いていますが、そのせいなんだと見た。
暗闇の世界とその案内人は、鬼太郎の「夢知らせ」という幻術が生み出したモノであり、決して物語世界内で実在しているモノではない。 だから案内人の人間に対する性格や態度は鬼太郎の態度そのものが反映され、結果として、人間に対して悪意ある態度をとっている、という解釈なんでしょう。
まぁ、そんな感じで問題点があるにはありますが、それ以外の全ての場面が絶賛以外の何物でもない素晴らしい話でした。
あと、目についたのは逃げ回る手を追いかけ回すシーンでの滑らかなカメラワーク。
あの動きは3DCGのものだけど、あの家は3DCGなのかなぁ。 手描きにしか見えなかったけど、壁とか天井とか柱とかテクスチャー貼りつけてあるのかなぁ。
そのあたりはDVDの特典で解説されるかもしれないな。期待していよう。