仮面ライダー THE NEXT
2008/03/13 22:48 - か・が行
映画公開前にちこっと聞きかじった情報では、出てくる怪人はハサミジャガーということでした(実際はハサミジャガーとノコギリトカゲの2体だったわけですが)。
仮面ライダーブイスリャー! の怪人ならテレビバエかイカファイヤーだろ! と心の中で絶叫したんですが、実はイカファイヤーもしっかり出ていたので、ちょっと嬉しかったです(あ、テレビバエってのは本気じゃないですよ)。
そんなことよりよく分からないのは、なぜ仮面ライダーで心霊ホラーをやるのかということ。
チラシを見たところ、原作マンガが持つ怪奇性うんぬんということが書いてありましたが、原作マンガにオカルト出てくるんですかね。
原作マンガを読んでもいない人間が勝手に漠然と抱いていた印象としては、原作が持つ怪奇性というのは、無辜の民に忍び寄る怪人の描写などが、殺人鬼やストーカー的な意味合いで真に迫っていて非常に恐ろしい、つまりスーパーナチュラルな恐怖ではなく、現実味を帯びた恐怖感なんじゃないのかなぁ、というものでした。
それはともかくホラーの部分について。
顔に汚れた包帯をグルグル巻きつけてフリフリのドレスを着た怨霊はなかなかキャラが立っているし、最初に引きこもりが殺される場面なんか雰囲気作りはかなり良かった。
ほんの些細いな妬みから軽い気持ちでおこなった悪意が、一人の人間の人生を破壊するほどの重大事にまで発展し、果てはとてつもなく巨大な怨念を誘発する。そんなプロットも定石だけど実に暗澹たる気分にさせてくれる、よくできたものだと思う。 その結果として被害者本人になることを強制される加害者、超人気アイドルという「概念」を存続させるために踏み潰される「個人」という因果応報というか運命の不条理もなかなか良い感じ。
まぁ二重身とか時計逆転とか手抜きなご都合主義も多々ありますが、プロットやシノプシス自体はそこそこ良い出来。 これって仮面ライダーの映画じゃないよねとは思いますが、ホラー部分だけを脳内で抽出・再構成してみると、Jホラー映画としては意外と佳作だったように感じました。