ActionScript3.0 ビジュアル・リファレンス
2008/06/26 22:40 - Flash参考書
私は Actionscript 用エディタに FlashDevelop を使っています。
そのあまりにも強力な補完機能のおかげで、LiveDocs や書籍を参照する機会がめっきり減りました。
メソッド名やプロパティ名がうろ覚えでも、そこで立ち止まることなくコードライティングを続けられるというのは、実に清々しいですね。今や幸福村の住人と申してもよろしい。
しかし、いくら FlashDevelop の補完機能が最上級にグレートでも、立ち止まらざるを得ない状況というのはあるものです。
メソッド名やプロパティ名の最初の1文字が思い出せなければ、たとえ神のごとく優れた道具でも如何ともなりませぬ。
やはり手元に一冊、リファレンス型の書籍を常備すべきですね。
そこで「ActionScript3.0 ビジュアル・リファレンス」。
この書籍は、ActionScript 3.0 を扱ったリファレンスとしては、現在唯一のものです。
しかしこれを選ぶのは、そのような消極的な理由ばかりでもありません。
落ち着いたカラーリング、簡素なデザインといった、渋めの装丁がイケてます。
ところで簡素なデザインってステキ! とは思いますが、今の講談社現代新書のデザインはかなりバッド、白地にカラーの正方形というデザインは好きかもだが、書店の棚に並んだ背表紙の色の下品さと帯の醜さには吐き気を催す、というのは、まぁ余談。
なお、この本はウェブテクノロジー三兄弟とも言うべきシリーズであり、姉妹本が二冊存在します。
「Javascript ビジュアル・リファレンス」、そして「HTML & CSS ビジュアル・リファレンス」がそれです。
江戸の昔から「尽くしもの」、あるいは「○○尽くし」と言いまして、日本人ってぇヤツぁ、揃い物を愛好する傾向があるもんです(チョコエッグのフィギュアなんかもソレ)。
色違いで同デザインの装丁本とくれば、もうそれだけで揃えたくなるではありませんか。
おいおい、この本は字引なんだからデザインよりも中身だろ、だいたい字引にカバーは邪魔だろが、揃い物とかなおさら関係ないだろ、というご意見もありましょう。 まったくもってそのとおり。
だから中身について思いの丈を述べますれば、リファレンス本という性質ゆえ当然のことですが、ある程度 ActionScript の知識を持った人向けのものです。
あのクラスにあったプロパティの名前はなんだっけ、とか、たしかあのクラスでこんなことをするメソッドがあったよなぁ、とか、まさにこの記事の冒頭に書いた、FlashDevelop でもどうにもならないときに真価が発揮される書籍です。
ただ、もしかしたら、取っつきに戸惑う構成かもしれません。
ステートメント、トップレベルクラス、ビルトインクラスで章立てされ、ビルトインクラス内ではパッケージごとに項立てされています。
ま、ここまでは良いです。当然の構成でしょう。
ただ字引なんだから、アルファベット順に並んでいるものと考えるのが、暗黙の了解としては優勢なんじゃないかと私は考えます。
ところがこの本はそうではありません。同じような機能はまとめて説明しています。
最近、一生使うことがないだろうと思っていた do while を使うことになり、この本で探したんですが、はじめ見つけられなくて、do while は詳細説明ないのかなぁ、と思っちゃいました(後述しますが、一部のプロパティやメソッドは説明がないものもあります)。
よくよく見てみたら、同様な機能を持つコードはアルファベットに関係なく一括して説明する構成になっており、do while は while と一緒に while の場所で、つまり、その章の中では後ろの方で説明されていました。
その他にも、DisplayObjectContainer の getChildIndex() と setChildIndex() が一緒になっていたり、MovieClip の currentFrame、framesLoaded、totalFrames の三つが一緒になっていたり、とかしています。
クラスごとに分類され、クラス内ではアルファベット無関係で機能ごとにまとまっている構成はそれはそれで非常に便利なのですが、というか、個人的にはそっちの方が望ましい。しかしそういう予備知識なしにリファレンスのつもりで開くと、アルファベット順でない点はちょっと戸惑う元になるかとも思います。
しかし、そういったことに対するフォローはしっかりされているので心配ご無用。
前述したとおり、各クラスごとに項立てされているんですが、クラスごとの最初のページは当該クラスのプロパティとメソッドの一覧になっており、それぞれこの本の第何ページ目に説明が書いてあるか、ということが「リンク」と称して明記されています。
この「リンク」を辿れば求める説明に行き着くという作りになっているわけです。
ただ、一部のメソッドやプロパティについては「リンク」が空欄で、プロパティ・メソッド一覧のごく簡単な説明だけで済まされている状況です。
ネットは広大だわ…… じゃなくて、ActionScript 3.0 の広大さとヒシヒシと感じる瞬間でありました。