BMW ミュージアムの動く彫刻
2008/07/09 23:15 - アート巡り
ワタクシ車に全く興味ござんせんが、何でも、ドイツはミュンヘンにあるBMW ミュージアムが二年半もの長きに渡る改装期間を経て、先頃新装オープンしたんだそうな。
で、そこに展示されている、とある芸術作品が、先日、Engadget 日本版で紹介されていたのでございます。
天井から吊られた714個の球体が個別に動き、波打つ絨毯のようになったり、車体を覆う幕のようになったりと、いろいろな形状に変化する『動く彫刻 kinetische skulptur』だそうです。
その作品の写真および動画は Engadget 日本版の当該ページ「動画:BMWミュージアムの動く彫刻」で見ることができます。
動画についてですが、サクッと見たいなら、少しスクロールバーを下げたところにある YouTube 動画を見た方が良さげです(ただしチョー画質悪し)が、美麗な動画を見たいなら写真がリンクアンカーとなっている ART+COM へジャンプして、そこの一番下にある動画を見たがよろしかろう(ただしチョー遅し)。
球体がいろいろ動いて形状を成すというコンセプトでは、先だって Astro 3D の習作として、ワタクシも Formation 2.0 という非常に小物な作品を組みました。
また ROXIK temporaries. の AS3.0 performance demo や Max 2007 - Presentation ではかなり多量な球体群が織りなす美しい光景を見ることができます。
ROXIK temporaries. と Formation 2.0 を併記するのは烏滸がましいにも程がある、というのは、まぁひとまず置いてだな。 それらバーチャルな SWF 作品と、実体であるキネティッシェ・シュクルプトゥルとを見較べて感じたことを徒然なるままに……
<その1>
実体として存在する動く彫刻の球体は上下動しかできないという制約がありました。対して SWF の方は制約なし。その球体は縦横無尽に動き回ることができます。
でも上下動しかできないという制約を SWF に取り入れてみたら、縛りが入った分、苦し紛れな面白い発想が浮かぶかもしれないなぁ、と感じました。
<その2>
SWF の方は空間上に球体しか存在しません。一方、彫刻は現実世界に存在するものなので、当然のことながら影が できます。
彫刻が動くさまを写した動画を見て感じたのは、その球体群の影の動きも、作品の一部として鑑賞者に感銘を喚起する要素に充分なり得るなぁ、ということ。
また、現物を見ていたら、その作品がその場に存在する、その空気感そのものに押されて、影にまで想いが至らなかったかもしれないなぁ、ということ。
コンピュータを捨てよ、町へ出よう、というのは半分は正しくて半分は間違ってるなぁ、なーんて思ってみたり。