百万円と苦虫女
2008/10/03 22:20 - は・ば・ぱ・う゛行
鬱屈キャラの蒼井優は…… 萌えるね!
しょちゅう眉根に皺を寄せ、引きつった愛想笑いを浮かべ、ATフィールド全開で他人行儀。 人間社会で生きて行くには不器用な性格。
そんなキャラの仕草のひとつひとつ、セリフのひとつひとつ、雰囲気のすべてに萌えまくりの2時間でした。
タナダユキ監督曰く、蒼井優を見てこんな性格っぽいと勝手に想像して、佐藤鈴子というキャラを創造したとのこと。誠に的確であると思う。
彼女のルックスや醸し出す雰囲気からは、こういう、不器用で状況に流されっぱなしのキャラが実にハマっていると私も感じます。
いやーいーなぁ。実にイイ。蒼井優のファンになっちゃったよ。
山村で吊し上げ食らう場面で、最初のオドオドしている彼女も萌えるし、最後にキレる彼女も萌えるけど、最後の地方都市での喫茶店談話から相互告白へつながる場面は最も萌える。
喫茶店から逃げ出して男と言い合いになるときに「私のことキライになりますよ」「そんなことないですよ」「怒ってないですよ」と堰を切ったようなセリフのしゃべり方とつなぎ方が素晴らしい。
鈴子はその男性とは破局を迎えてしまい、それが理由で町を出ることになります。 そんな鈴子をカレシは追いかけてくるものの、運命の悪戯か、結局すれ違ったまま、逢うこともかなわず永遠の別離となるラストシーン。
そのラストシーンがまた良い。
蒼井優の「来るわけないか」と多少未練を残しながらも全てを吹っ切ったセリフ回しが、バッドエンドなのになぜか清清しくて、実に快い。
ところで別れたまま終わらせるというのは女性監督ならではだなぁ、という印象。
男性監督なら、男は女を捕まえて引き戻すだろうな。衆人環視の中でベタベタの抱擁をさせるかも知れん。
てゆーか、男性監督なら別れ話で「ワタシのお金が目当てで付き合ってるんでしょ」とカノジョから言われたカレシが、黙り込んでしまうという展開にはせんよな。 ああいう理由で金せびってるんなら。 そこで理由を明かしてハッピーエンドだろう。
てゆーか、あんな理由で金せびるなんて男の視点から見たら絶対ありえない。 リアリティなさ過ぎと言いたいねオレ様は。 でもまぁ監督的にあの理由にはリアリティ要らないんだろうけどね。
それともそういう考えを持つ私は、マッチョな思考に毒されているってことですか?
まぁそれはともかく、映画全体から感じられる初々しさというか瑞々しさというか、とにかく雰囲気がとても良い。 実に良質の映画だと思います。
でも現代が舞台なのに、短大卒業したばかりの女が口ずさむのが「娑婆ダバ~娑婆ダバ~、娑婆ダバ~娑婆ダバ~、どぅ~わ~」は如何なものか。
しょっぱなにあれを聞かされて、あれ時代設定は昭和なのかなー? と思って観てたら、実は平成20年でびっくりしたよ。