「東京てら子 5」に行ってきた(後編)-アナログ時計編-
2008/10/13 20:23 - AS3.0
平成20年10月11日(土)「東京てら子 5」in 新宿の続き。今回はアナログ時計編。
「東京てら子 5」に臨む(後編)では、アナログ時計のアプローチとして以下のリストを掲示しました。
- シングル針
- 時針、分針、秒針はそれぞれひとつずつしか存在しない
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これは、コーディング的に時針、分針、秒針をそれぞれひとつの表示オブジェクトで表現している、ということです。
- マルチ針
- 時針、分針、秒針はそれぞれ複数存在してもよい
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これは、コーディング的に時針、分針、秒針をそれぞれ複数の表示オブジェクトで表現している、ということです。具体的には時針は12個、分針と秒針はそれぞれ60個の表示オブジェクトとなっています。
以下実作(それぞれの画像をクリックしてください)。
シングル針
円形針
同一軌道上配置
時針、分針、秒針は円形になっており、その中心は同一軌道上に配置されるようになっています。
大きい順に時針、分針、秒針になっています。
内接円 1
上記同様、円形で表現された針は大きい順に時針(青)、分針(黄)、秒針(赤)になっています。
針は時計領域園(黒)に内接するように動きます。
内接円 2
上記「内接円 1」のバリエーション。
「内接円 1」では時分秒すべての針がひとつの黒い円に内接していますが、こちらは入れ子状に配置しています。
秒針は分針に内接、分針は時針に内接、時針は時計領域円に内接しています。
外接円
これは参考出品ということで。
「内接円 2」の内接を外接に置き換えたものです。
一番小さい黒いのが時計の中心。 それに外接する赤の時針、赤い時針に外接する緑の分針、緑の分針に外接する青の秒針、という構造です。
ところで内接円時計と外接円時計は、Matrix による移動および回転と各針の直径を使った計算による似而非内接と似而非外接です。
もし、それぞれの針が時間の流れに伴い、歯車のように実際に回転するよう計算させることができれば、サイクロイド曲線を描くことが可能になります。
そうなれば美しい効果が得られそうな気がするんですが、そこまで数学力のない私は、ここで力が尽きました。ガクッ。
半円形針
上記の三つは円形の針でしたが、これは半円形の針です。
小さい順に時針、分針、秒針になっており、画像はちょうど0秒のときのものです。
各針には BlendMode.INVERT を設定しています。 以降、モノクロの時計ははすべて同様に BlendMode.INVERT 適用です。
また、BlendMode.INVERT 適用時計は、背景色が6時~18時は白、18時~6時が黒になります。
LineTo
これは今までのものと少し毛色が違います。
目盛りは、上から時、分、秒、左から0で右が時は12、分、秒は60です。
時分秒それぞれの座標を LineTo で結び、beginFill で塗りつぶしています。
前述したように、これも BlendMode.INVERT 適用です。
マルチ針
今まではシングル針でしたが、ここからはマルチ針になります。
マルチといっても常時すべてが表示されているのは時針だけで、分針、秒針はその対象のものだけが表示されます。
時針は常時すべてが表示されているので、そのままでは何時かがわからなくなるため、対象時の時針は大きくなるようになっています。
時針は常時表示することで、文字盤も兼ねています。
以下に掲示する、マルチ針アナログ時計の構造はすべて同じです。
線上配置
針を線上に配置したもの。
環状配置
シンプル
上記の線上配置を単純に環状配置に置き換えたものです。
一番小さい円が文字盤としての時針です。 それ以外は、大きい順に分針、対象時の時針、秒針になっています。
メイン
上記「環状配置シンプル」は「線上配置」をそのまま単純に環状に置き換えただけなので、既存の針による時計のメタファーとして考えたときに、若干問題になりそうな部分があります。
たとえば、13時30分の時針はどこを指しているでしょうか。文字盤の1と2の中間を指しています。 では5時30分は? 文字盤5と6の中間です。
といったように、時針は文字盤上の対象時の場所を静的に指してはいません。 しかしながら「環状配置シンプル」では、対象時の場所を静的に指すことになっています。
マルチ針を、既存の針時計の針の動きのメタファーに近づけてみたのが、これです。
文字盤としての時針のサイズは変わりません。秒針はそれよりも小さくなりました。 分針は最大サイズで、時針は分針のサイズを超えない範囲でふたつの時針のサイズが変動します。
既存の針時計の指す位置をサイズに置き換えています。
たとえば、13時15分なら1と2の時針のサイズがそれ以外の時針より大きくなっています。 そして1と2を比べると1の方が2より大きくなります。 13時30分では1と2は同じ大きさになり、13時45分では1より2の方が大きくなります。 そして14時ジャストでは1の針は文字盤としての時針と同じ大きさになり、2の針は最大になります。
分針なし
既存の針時計は時間を読む際に三つの針を使います。 ところが上記「環状配置メイン」は既存の針時計のメタファーに近づけようとした結果、時間を読む際に4つの円が絡んでくることになりました。
既存のものより要素が増えてしまうというのは好ましい状態ではありません
ところで二つの時針によって、分は読むことが可能です。 では分針をなくすとどうなるか、というのを試みたのがこれです。
なんかさらなるドツボに嵌ったような気がしないでもない。
以上、デジタル時計5個、アナログ時計10個でした。