デス・レース
2008/12/15 21:15 - た・だ行
この映画単体で考慮したときの満足度を考えてみると、私としては実はそれほど低いものではないのです。
しかしこれを「デスレース2000年」のリメイクと言い張るつもりなら、ゴミ認定せざるを得ぬな。
撮る映画がことごとくビミョーな出来映えという誉れ高い監督兼脚本家におかれましては、ロジャー・コーマン先生とイブ・メルキオール先生に3億回くらい土下座して詫びを入れてほしいもの。 まぁ当のロジャー・コーマンは製作総指揮に名を連ねているワケですが。
オリジナルより優れているなぁ、と感じたのは二点のみ。
カースタントの迫力と、レースシステムにおける剣、盾、ドクロというアイテム。
でもカースタントの迫力は、時代的・予算的なことを考えるとオリジナルより優れていていなくてどーするというものなので、これは評価の対象外。 基本オリジナルよりも劣化しているという評価をせざるを得ない。
車、女、暴力による刹那的で下賎な劣情を満たすことが目的なんですこの映画は。
あ、別に軽蔑しているわけではなく、そういうタイプの映画であるということを淡々と述べているだけですよ。
何がダメって、お色気部門が実質全く描かれていない。これは致命的。
ケイス以外まったくスクリーンに映っていないといっても過言でないくらい、ナビの女たちは露出度が低い。 ナビとしてのサポート場面もなければ、官能的な肉体を晒すことも一切ないのは如何なものか。
本編部分での活躍をゼロにするならするで、せめてはじめて女たちが登場するシーンで、一人ずつ足元から顔までをカメラがゆっくりと舐めるように写すくらいしてくれないと。
あとザ・ドレッドノートの登場にガッカリ。
第3レースはフランケンとマシンガンジョーの一騎打ちにさせる、というシナリオ上の要請からこんなメカ出したんでしょうが、観客としては興醒めもいいとこ。
同レベルなスペックの車同士による駆け引きと殺し合いがデス・レースの肝でしょうが。レース主催者が圧倒的戦力を投入してレースカー破壊しまくってどーすんだよ。アホか。 まぁドレッドノートが破壊されるシーンはけっこう燃えたけど。
そして最後の腑抜けたオチ! 何なんだこの緩~くて和んだお友だちゴッコは?
エンドロール前の注意書きにも唖然です。 こんな警告出すくらいなら、そもそも「デスレース2000年」をリメイクすんな、って話。
世間の良識なんか糞食らえという、オリジナルが持っていた不謹慎さやブラックユーモアも全くなし。 まぁそれは時代的にしょうがないんすかねー。 でもそれにチャレンジする気概がないならリメイクしてほしくなかったなぁ。
参考エントリー
イブ・メルキオール関連
- デスレース2000年(原案)
- 巨大アメーバの惑星(監督・脚本)