ナルニア国物語 第1章:ライオンと魔女
2006/04/04 20:42 - な行
本を読んで、自分の想像力を駆使して、自らの頭蓋のドームに映像を結ぶ。 それがファンタジーのベストな楽しみ方なのかも知れませんね。
「あぁなかなかよくできた映像ですね、昨今のCGIの発達の度合いは目を見張るものがありますね(棒読み)」
この映画を観た感想としては、正直これ以上のものを抱くことができません。
まぁそれよりも問題なのは、ストーリー的にあまりにも粗雑だという点。
予定調和なのはお約束だとしても、いくらなんでも予定調和が過ぎるというもの。 アスラン復活の理由にはのけぞりましたよ。
それに、すでに末妹が強力なポーションをゲットしてるのを観客は知っているんだから兄を庇って死にかける弟には緊張感もへったくれもない。
兄弟の絆回復のエピソードとして入れるなら、もうちょっと考えた展開にしてほしいものです。
そして、肝心の白い魔女との全面対決。
この戦争において、ペベンシー陣営が圧されていたのは四人揃っていなかったからで、やがて四人が揃ったから魔女陣営に勝てた、という展開では決してない。
あくまでもアスランが戦闘に参加したから勝てたんであって、はっきり言って姉妹二人は、いらん子達だったってこと。
それに姉はこの物語においてほとんど役割を果たしていない。 主役の一人なのに実質いなくてよいキャラというのはいくらなんでもあんまりというもの。
マジックアイテムの矢も、あんな使い方されたら浮かばれないですよ。
原作を読んでないので、原作自体がそういう杜撰さを内包しているのか、それとも原作が長すぎるので削った結果、映画では雑になったのかは分かりません。
ですが、ファンタジーを謳うなら、もうちょっと普遍無意識を揺さぶるような物語を提示していただきたいものです。