ActionScript 3.0 プログラミング入門
2009/01/21 21:48 - Flash参考書
Flash CS3 で ActionScript も 3.0 にバージョンアップして早幾年、ActionScript 3.0 プラットフォームも CS4 にメジャーバージョンアップを果たした今日この頃、ActionScript 3.0 についての解説本もずいぶんと充実してきたものです。
そんな数ある書籍の中で、ActionScript 初挑戦、あるいは、そもそもプログラム言語自体触れるのが初めて、といった人々に最も有益な本がこの「ActionScript 3.0 プログラミング入門」だと思います。
演算子や制御構造・関数といった言語シンタックスからはじまり、配列・文字列・算術といったコアクラス、表示オブジェクト、テキストフィールド、そしてカスタムクラスといった基礎中の基礎とも呼ぶべき重要な知識が、実にコンパクトにまとまっている良書です。
ただし地味です、この本で得られた知識の範囲内で作れるものは。
でも基礎は大事だよー。見た目がハデハデな他人様の目を引くようなウルテクやスパテクも、基礎ができてなんぼのもの。
いきなりハデな作品のコードを覗いて目を回す暇があったら、まずはこういった本を100回熟読した方が、よっぽど上達への早道だと私は思います。
この本が類書に比べて優れているなぁと、私が特に感じた点は「変数をより深く知る」と題して、一つの節を費やして変数について詳細な説明がある点(P70~82)。
とりわけ 2-2-3 項の「プリミティブ型とリファレンス型データの相違」はへぇと思いました。
まぁ、そこに書いてあることは基本的に、2008年1月におこなわれた『コリン・ムックの「今から始める ActionScript 3.0 - WORLD WIDE TOUR」』でされたという説明と同じなんですけどね。 この本の発行日は2008年2月25日になっているので、このときの説明が反映されているのかも知れません。
なお、どういう説明があったのかというのは func09 さんの『コリン・ムック「今から始めるActionScript 3.0」に行ってきました』というエントリーで、実に詳細な解説がなされていますからそちらをご覧あれ。
変数についてのこのような説明は、どちらかというと低レベル寄りな話だと思うんですが、今まで ActionScript 基礎解説本で低レベルな説明は読んだことがなかったので、新鮮な驚きを感じました。
ちなみに誤解のないように言っときますが、コンピュータ用語で「低レベル」「低級」「低水準」というのは、「簡単過ぎてアクビが出るぜ」みたいな意味ではなく、人間側ではなくハードウェア側の階層(レベル)という意味です。
低レベルに属する知識をあまりよく知らなくても高水準言語の習得はある程度までは可能です。
しかし低レベルの知識がないと確実に壁にぶち当たって、それ以上成長できない限界点というのが確実に存在します。
私はそれでずっと泣きっぱなしなんですが、そういった意味では、低レベルな話にまったく触れていない解説本に比べると、格段の進化を遂げた基礎解説本なのではないかと考える次第です。