SPIRIT
2006/04/05 21:09 - さ・ざ行
かつて「ワンス・アポン・ア・タイム・イン・チャイナ」で李連杰が演じた実在の武道家・黄飛鴻は高潔な魂の持ち主に描かれていた。
それに対し、この映画の主人公でやはり実在の武闘家・霍元甲は、最後まで、武術家といえるような精神の持ち主には感じられなかった。
おそらく天津に戻ってから異種格闘技までの描かれ方が短すぎたせいだろう。 帰郷していきなりの行動が、幼なじみに対する上海までの旅費の無心だったのもちょっと悪印象。
それに秦師父への焼香やヘラクレス・オブライアンをあわや死から救う程度では、とても武道家が持つべき高潔な魂の表明とは言えない。武道を嗜む者としてはごく当然の行為に過ぎない。 加えて知育徳育体育を謳う「精武体育学校」における精神面での修養を表現する場面も描かれなかった。
まぁそんな感じでちょっと引っかかる部分がありましたが、私としては、傲慢だの挫折だの憂国だの、そんなこたぁ別にどうでも良くて、ひたすらカッコいいクンフーアクションを堪能しました。イカす。
そしてさりげないワイヤーアクションがまた良い。 ワイヤー萌えとしては物足りないけど、派手な外連味よりも重厚な篤実さの方がこの映画にはふさわしい。 さすがは袁和平。
でもワクワクしながら観ているアクション中に、タイミング外したへんてこスローモーションはやめてほしいもんです。