『テオ・ヤンセン展』
2009/02/11 22:09 - アート巡り
昨日(平成21年2月10日)は休暇をもらって東京へ行ってきました。
本来のお目当ては国立新美術館の「平成20年度(第12回)文化庁メディア芸術祭」だったんですが、まさかの休館日。 サントリー美術館も休館! 美術館や博物館は月曜休館が常識だろうが! まぁ思いこみでよく調べずに現地まで行った私が悪いんですが。

仕方ないので六本木エリアは後回しにして、銀座エリアの展覧会を先に見ることにします。
地下鉄日比谷線で六本木駅から日比谷駅へ移動。 まずはリアル Sodaplay を見に、日比谷パティオなる場所で開催されている「テオ・ヤンセン展」に足を運びます。

忌憚のない意見を申し述べさせていただくとすれば、旭山動物園を期待していたのに、実際は博物館の剥製展示室だったといったところでしょうか。
テオ・ヤンセン作品のどこがワンダーなのかと問われれば、それは自走すること、と私は考えます。
作者自ら「砂浜生物」と呼び、破損によって動作しなくなったら「寿命を終えた」と表現されるその作品群は、まさに生物そのものと言いたくなるインパクトを備えています。
ところで、旭山動物園になぜあれだけ客が集まるのかというと、単に動物そのものを見せる形態展示から、その動物特有の動作を見せる行動展示に切り替えたから、というのは皆さんご案内のことと思います。

翻って当会場の展示作品ですが、どうやらそのほとんどが「寿命を終えた」ものばかり。 「生きている」ものは二つあったらしいんですが、実際に動くところを見られたのは一体のみ。 しかも人間が押したり引いたりして歩かせるという状況。
この展覧会の公式サイトをざっと見ていたところ、各時00分ジャストでデモをやるって書いてあったのでそれを期待していたらば、デモをやるのは土日祝日だけだということが後になって判明。 いやサイトにはちゃんと書いてあり、それを私が見落としていただけなんですがね(生きているもう一体が動くところがそのデモで見られるらしい)。
六本木エリア火曜休館といい、これといい、凡ミス連発でイヤになりますよ自分に。

それはともかく作品が自走するところが見られなかったので会場で売っていた DVD を買いました。
図録にするか DVD にするか迷ったんですが、動くことがコンセプトの作品の展覧会なんだから、静止写真の図録よりは映像の DVD だろうと考えるのが自然でしょう。
しかしそれが判断ミス。
素人が作った DVD なんですかコレ? 編集されているにも関わらず、まるで未編集のホームビデオを見せられているようなこの退屈感は何物? 「死霊の盆踊り」を観たときの後悔と同じような想いを抱きました。
これならユーチューブ行って「テオ・ヤンセン」で検索かけたときにヒットする映像を見た方が遙かにマシ。
買うなら図録の方をお奨めしますマジで。

とまぁ言いたい放題ですが、しかしテオ・ヤンセン作品が唯一無二の魅力を持っているのは紛れもない事実。 ちょっと昔の言葉で言えばオンリーワン。 たとえその作品が持つ100%の力を出し切っていないとしても、やはり胸に迫るものがあります。
展示規模と観覧料のバランスが多少いかがなものか、と思わないでもないけれど、まぁ見ておいて損はないんじゃないでしょうか。
会場を後に新橋方面へ徒歩移動。 次なる会場(二カ所)へ向かいます。