『うつわ U-Tsu-Wa』
2009/02/16 21:25 - アート巡り

文化庁メディア芸術祭観覧後は、引き続き、標記展覧会を見に 21_21 DESIGN SIGHT へ移動。
ポスター(←の写真のヤツ)にビビビっとキタのでジャケ買いならぬポスター展覧を決心してしまいました。
よって前もって何も情報を仕入れず状態で会場入りしたわけです。もっとも2月13日(金)つまり前日に始まったばかりだから、展覧会の感想もほとんどネット上に存在していないんですけどね。
でもそれが命取りぃ~。 やっぱリサーチって大切ね、ということを骨の髄まで思い知らされました。
こんな酷い展覧会は初めてだ!

これは公式サイトを見ていただくとお分かりのとおり、二人の陶芸作家と一人の木工作家による、器の展覧会です。
私は陶器が目的だったので、木工の器については以下除外して話を進めます。
陶器の鑑賞の一番理想的な形は実際に手にとって矯めつ眇めつできること。
器の外を見、中を見、そして底やへりを見る。器自体の形や釉薬の流れ具合、表面の肌理、ひびや歪み、色の深みなどを間近にじっくり見る、火と手と土と偶然によって生み出されたフラクタルを眺め、そのフラクタルに森羅万象を感じる。 これこそが陶器鑑賞の醍醐味というものです。
美術展では当然のことながら実際に手に触れることなんかできませんが、それでも、できるだけ間近に見られるような展示方法が採られているのが当たり前なんじゃないでしょうか。
ところがこの展覧会では、器に一番近くまで寄っても1メートルくらい離れています。 遠いものだと3メートルくらいはあるでしょう。
器の中を見ることなんか当然できず、外側すらもよく見ることができません。
どんな展示方法がなされているのかというのは、公式のタイトルビジュアルやブルータス副編集長のブログのプレスプレビューエントリーの写真で見ることができます。
陶器の展覧会でこんなこと許されるのか? あり得ん!
私がこの展覧会を見に行こうと思ったのは、このエントリーの冒頭のポスター写真の一番上にある器に惹かれたからです。
赤、灰、緑、黒、金というおよそ調和なんか考えられない色の取り合わせにも関わらず、何か不思議な調和を感じさせるこの器の内側をぜひとも肉眼で確認したかったからです。
ところが実際は、器の内側はおろか外側すら鑑賞がままならない、実に嘆かわしい展覧会でした。
それと、実際に展示されている作品ですが、ブルータス副編集長のブログに掲載されている写真に写っているものでほぼ全部です(あと陶製のボタンの展示もありますが、それはワタクシ興味ないので)。
これで入場料1,000円は軽く騙された気分がぬぐえない。
今後 21_21 DESIGN SIGHT には仮に行くにしても、もっと用心を重ね、しっかり情報を仕入れてから行こうと、堅く心に決めました。