『アーティスト・ファイル 2009』
2009/04/22 20:22 - アート巡り

やって来ました国立新美術館。
先般『文化庁メディア芸術祭』を見てきたときのこと。 次の企画展として『アーティスト・ファイル 2009』というのが2009年3月4日(水)~5月6日(水)まで予定されているという情報を得ました。
ワタクシ嫌コンテンポラリー派なんですが、この展覧会のチラシ中、ひとつ気になるビジュアルを見ました。
ペーター・ボーゲルスという作家の「統一された場」というビデオインスタレーションの写真です。 『アーティスト・ファイル 2009』のページでスクロールバーを下げていって、出品者紹介の一番最初に出てきます。
この壁面に投影されたおっさんの映像のボヤけ具合がなんかツボに嵌りました。 で、実際に動くところを見たくなって、この度、会場まで出向いた次第。
いきなり出端を挫かれました。
しょっぱなに悪臭を放つ木屑の固まりに道を阻まれ、次に被写体はそこそこ良いのにフレーミングがガッカリな写真にぶち当たり、その次は特にこれといった印象が残らない油絵。
来るんじゃなかったかなぁ…… と後悔し始めたそのとき!

とんでもなく禍々しくも忌々しい具象画が視界に飛び込んできて、私の澱んだ気分は一瞬で消し飛びました。
その作家の名は齋藤芽生。
葬式の花輪、団地、雑居ビルの踊り場、和室の仏壇といった日陰なテイストに胸がざわめきます。 どうも今回の展覧会、この作家が一押しだったっぽく、かなり多くの作品が展示されています。
どれもこれも毒というか影というか闇というか、実に不吉で素晴らしい雰囲気が漂っています。私はおおいに気に入りました。 多くの観覧客も魅惑されたようで、他はガラガラだったのにここだけすげー混雑してます人が停滞してます。
次の一角には、たくさんの色を塗りたくった大きなカンバスの群れ。作家の名は津上みゆき。 この抽象画がこれまた私の心に刺さります。
私としては、明るい色を使った作品に美しさを感じました。
で、ひとつ過ごして今回お目当てだった作品空間に入ります…… インスタレーションはオレにとって鬼門だなぁガッカリ、という印象をさらに強めることになったのでした。
まぁでも現代作家展で二人も当たりを引いたんだから、これは大収穫というもの。
それにしてもインスタレーション、写真、彫刻、各種立体造形等々など…… いろいろあったけれどもお気に召したのはいずれも絵画。 やっぱ私はタブロー派なんだなぁ、という意も改めて強くなった次第です。