『ムーミン展』
2009/05/04 00:54 - アート巡り

東京駅八重洲口を出て大丸デパートに入ると、まずはエレベータホールで軽いサプライズ。 全てのエレベータのドアに『ムーミン展』の案内がプリントされています。うひょー!
←を見てお分かりのとおり、日本のテレビアニメのムーミンはまったく関係ありませんよ。 原作者トーベ・ヤンソンの展覧会です。 本の挿絵原画やそのデッサンなどが満載。うひょー!!
ムーミンシリーズ以外に、「不思議の国のアリス」の挿絵なども展示されていました。 トーベ・ヤンソン以外の作品としては、ムーミンの挿絵を立体化したジオラマなども展示されています。
いずれもフィンランドのタンペレ市にあるムーミン谷美術館という美術館に収蔵されたものとのこと。
やっぱ原作者によるオリジナルのムーミントロールはいいね!
目がね、味わい深いと思うんですよ目が。
ワタクシ世代的にはフジテレビの「ムーミン」なんですが、あのアニメはムーミンを日本でメジャーにした功績はあると思う。 でも、黒目がちのキラキラお目々のキャラ造形は原作からあまりにも乖離していてるんですよ。 しかもオリジナルの味わいにまったく追いついてない、というか、原作を完全に滅殺しているという、罪の部分が実に大きいと思う。
そういう意味ではずっと後にテレビ東京で放映された「楽しいムーミン一家」は、原作よりなんでかなり安心して見られますね。
ま、この際アニメはどうでもよろしい。 原画ですよ原画。トーベ・ヤンソンの原画。
思いの外サイズが小さくて驚きましたよ。 それなりのサイズ、んー、A4とかスケッチブック大とかだと思ってたら、名刺大くらいのけっこうたくさんあった。
小さいと言えば、ムーミン族はとても小さいと設定されてたときもあるようで、これまら新鮮な発見でした。 ガルムという雑誌の表紙や挿絵が何点か展示されていたけど、人の足下に佇んでいたり、つま先に乗っかっていたりしてる。
まあ展示作品はとても堪能させていただいたわけですが、不満がないわけではありません。
それはキャラクターの名前です。 原作での名前も併記してほしかったところ。
たとえばスヌス・ムムリク(スナフキン)とか、ハッティフナット(ニョロニョロ)とか。
まぁ()内の方はもう日本ですっかり浸透してしまった名前だし、オリジナルネームは日本人には発音しづらい。 けどやっぱ原作をもちっと尊重しても良いと思うんですよ。
そう言えば、ムーミンやスノーク、ヘムレン(ヘムル)というのは固有名詞ではなく種族名だって説明もしっかりとは書かれていなかったような気もするなぁ。

あと、ヨクサル(柴田じゃないよ)やミムラ夫人、スナフキンとミイとミムラ姉さんの関係の説明がちゃんとあっても良かったんでは。
ミイとスナフキンが姉弟という設定は、まだまだ浸透してないと思うし、子だくさんのミムラ夫人(その数35人)というのはケルト神話とか大地母神とか、キリスト教以前の神秘的な神々を想起させる。
そう。キリスト教が文化破壊をおこなう以前の北欧の神話や民間伝承といった古き神々や妖精の物語といった趣のロマンを感じるんだなぁ。
トロールってのも元々は北欧における、醜くて邪悪な魔物だしね。 まぁ日本ではトトロになってしまったけど。
でもそういうことは日本のムーミンファンの大多数には興味のないことなのかもな。
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