高橋コレクション二題(2)『ネオテニー・ジャパン』
2009/06/23 21:31 - アート巡り
有楽町から山手線に揺られて上野駅に到着。 公園口を出て、横断歩道を渡って左折、上野の森美術館に入ります。
まったく立体造形は愚にもつかねーもんばっかだなぁ…… まぁそれはともかく。
まずは束芋。
わたくし今回の展覧会で束芋に対する認識を改めることになりました。
ビジュアル的には好きな作家のつもりだったんですが、和紙に黒インクのみで描かれたモノクロ作品を見て、あまりの心打たなさに愕然としました。
どうやら、束芋の色を選ぶセンス、つまりは浮世絵の色遣いの素晴らしさが私の心を捉えていたようです。
これからはもっと浮世絵の展覧会に足を運ぶことにしよう。
まぁ後ろ向きなことばっか言ってても気が滅入るだけなので、ポジティブなことを。
会田誠、山口晃、そして池田学。この三人はホントにスゴイですね。 今回の展覧会では次の4作品を堪能させていただきましたですよ。
会田誠「大山椒魚」。山口晃「今様遊楽圖」。池田学「興亡史」「 領域」。
「大山椒魚」のボツボツした頭とビラビラした襞という実にリアルな質感。
「今様遊楽圖」の江戸と現代の風俗が入り乱れた摩訶不思議な世界。
「興亡史」「領域」のペンとカラーインクで構築された細密な画面。
圧倒的なまでに過剰な情報に打ちのめされる思いです。
確かな
天明屋尚の「ネオ千手観音」は、ビジュアル的には好みなんですが、テーマがいまひとつ分かりませんでした。
キリスト教的イコンが武器を持っているんなら皮肉として的確だと思うんだけど(ヒネリなさ過ぎか?)、仏教的イコンじゃなぁ…… という印象を受けました。