『シンポジウム「メディア・アートとは何か?」』
2009/07/26 18:22 - 雑記

昨日は東大行ってきましたよ東大。
東京大学大学院・情報学環・学際情報学府・石田研究室なるところの主催による標記シンポジウムを聞くために、本郷キャンパスにある福武ホールというところへ行ってきました。

この福武ホールというのは、赤門入って左手すぐのところにあります。
友人が白山に住んでいて、泊めてもらった翌日は、車で秋葉原まで送ってもらうのが常なんですが、その際、本郷通りを通過します。
なので赤門を目にする機会は何度かあったんですが、実際に近寄ってまじまじと見るのは初めてなら、ましてやくぐるのも初めての体験。
それはともかくこの福武ホール、かなり長いけどずいぶん平べったい建物です。
昔、東京三世社の MY COMICS というシリーズで出ていた『死神交換イタシマス』っていう福山庸治の短編集で読んだ「narrow house」を思い出すなぁ(その後調べたら「narrow house」ではなく「N-size House」というタイトルだったもよう。
東京三世社の『死神交換イタシマス』は現在絶版、日本エディターズのものが、もしかしたら入手可能という状況)。
こんなところに180人も入れる空間があるのかなぁ、と思いながら、一番上の写真の左側に見える、コンクリートの衝立の末端にある看板のようなもののところまで歩きます。これはこのシンポジウムの案内板でした(下、左の写真)。
で、そこから覗くと、地下深くまで階段が続いています(下、右側の写真)。この地下2階に会場である福武ラーニングシアターがあるとのこと。
中は撮影禁止だったので写真はありませんが、予想どおりの平べったさ。
間口はとても広いのですが、奥行きが極端に短い。 普通の大学の講義室にある、あの一体化した机が6列くらいしかありませんよ。
演台には大きなスクリーンがあるんですが、先頭の机の両端からだと見えんぞあれじゃ。 そんなわけで真ん中ら辺に陣取りましたよ。
美術関係者でもなければ、学究の徒でもない。 美大も出ていないし、そういったことに関連する仕事にすら就いていない。
趣味で ActionScript 弄って、インタラクティブな作品を作っているだけの、一介の好事家に過ぎない私にとって、このシンポジウムの内容は、何か哲学的な話ばっかりでワケわからんかったっす。まぁそもそも場違いも甚だしいという感じですかねー。
そんな私にも、ひとつ、心に響いた内容がありました
今シンポジウムのメイン登壇者、東京藝術大学大学院・映像研究科長にしてメディアアーティストの藤幡正樹先生の話。
画家は、油絵の具や筆について、とても深い知識を持っている。 どういう塗り方をすればヒビになってしまうかといったことにももちろん詳しく、本来は排除すべきヒビを逆に表現として取り入れ、それをスタイルにしてしまうようなこともある。
画家に限らずアーティストと言われる人々は、自らの表現に使用する素材について知悉している。
しかしメディアアーティストと言われる人々はそのような知識が少ない人が多いのではないか。 メディアアートと呼ばれる作品はどこかで見たような物ばかりという印象を受ける。
という旨の話がありました(聞き違いでなければ)。
私のようなシロウトが言うのも何ですが、とても考えさせられる内容です。
ActionScript の構造や関数などの知識があるのとないのとでは、できあがる作品の質に超えられない差があるように思います確かに。
とりわけ、関数についての知識は深めたいものである、ということを切に感じました。
そんなわけで、会場で売られていた藤幡正樹先生の著書「不完全な現実」を購入しましたよ。
これから読みふけろうかと思います。