「.fla2 ― Idea of Flash Creation ― 」刊行記念トークセッション いま Flash でものを作るということ
2009/12/06 01:56 - AS3.0

行って来ました。アップルストア銀座。
標記のイベントに参加して参りましたよ。
さて今日はと言えば、冷たい雨が降りしきる残念な天候。 にもかかわらず、立ち見も出る盛況ぶりで、執筆者の皆さんの人気の高さをうかがわせるイベントでありました。
で、内容の方ですが、このイベント、誰がターゲットだったんですかねー。
いろいろ考えた結果、どうやら、まだ「.fla 2」を買ってない人の背中を押すためイベントだったんだな、という結論に達しました。
Saqoosha さんの、ゆるゆらーの画像の扱いを Embed から FileReference 対応にするライブコーディングや、眞野さんの使わなかった素材写真提示など、若干、このイベントでしか見られないものがありましたが、メイキングやお蔵出しなどの裏話といったものは特になく、基本的には、本を読めば書いてあること。 それがイベント前半の執筆者によるプレゼンなんでした。
後半の質問コーナーでは、いろいろ興味深いものをみせていただきました。 皆さんの部屋の写真とか
このイベントで、自分にとって一番響いたのは萩原さんの話の中でのことです。 たしか最後のまとめとして提示されたものだったと思いますが、以下の式。
これは何を示しているかというと、コンピュータ作品を作るに当たって考慮すべき『軸』だそうです。
XYZ は空間軸。ディスプレイ上のX軸、Y軸。そして Papervision3D 登場以降、さらに注目を浴びるようになったZ軸。
そして t は時間軸。なぜふたつあるのかというと、先の t は短期インタラクションの時間軸で、後の t は長期インタラクションの時間軸とのこと。
短期インタラクション、長期インタラクションとはそれぞれ何か、ということは、本のP165~180にある Yumiura という作品の説明で詳しくなされていますが、短期インタラクションは、その場で触って楽しいという感覚。そして長期インタラクションはその短期インタラクションで蓄積された情報によってサイトが育つ、その育ったサイトに再訪するとまた別の楽しみを味わえる、という意味だと思います。
何十年も注ぎ足し続けた秘伝のソースや、何十年も使い続けたスッポン料理の土鍋など、時間をかけないと生み出せない価値というものがありますが、そういう価値をプログラムやサイトでも生み出せるようにしよう、という素晴らしい哲学なんじゃないかと解釈しました。
5秒消費問題解消のアプローチとして検討すべきことですね
ところでこのイベント、Twitter 上で質問募集がありまして、私も質問したんです。
でも、文章がヘタ過ぎて何を言っているのか分かってもらえず、華麗にスルー状態になってしまいました。
140字以内にまとめようとして、もうめちゃくちゃになっちゃってスイマセン。
これは何を言いたかったのかというと、以下のようなことです。
JellyPics で肝になるのは、三角形の頂点となる座標をどのように動かすかということだと思います。 で、その座標は _vertices という Vector に、X座標、Y座標の順に一次元の状態で格納されています。
この _vertices は setupVertices()、addPower()、calcEnergy() の三つのメソッドで走査処理がなされています。
それらの走査処理は二重ループでおこなわれており、Vector へアクセスするための添え字 i が毎回以下のとおり計算されています。
i をループ内部で毎回計算しているので、ループ内での _vertices へのアクセス順は _vertices[0]、_vertices[1]、_vertices[2]、_vertices[3]、…… のような順次アクセスになっていません。
結果的に、実際のデータの格納順は、ステージ上のポイントをZ字状に舐めたようになっていますが、ループ内でのアクセス順はステージのポイントを鏡像N字状に舐めています。
このようなループの場合、i をループの外に出した以下のようなコードを、経験的には見てきました。
で、なぜ i はインクリメントで進めずに、毎回計算しているんですか、という風に質問を言い換えると、分かっていただけますでしょうか。
もしかしたらインクリメントより、こういう風に計算させた方が速いのかなぁ、と思いまして。
最後に余談。
萩原さんの話の中で出てきた、エイモス・チュツオーラの「やし酒のみ」。
妖怪好き的には外せない本の一冊。森の中の化け物世界へ旅をする冒険譚で、アフリカの妖怪伝承に基づいて書かれたものです。
一番入手しやすいのは、たぶん左側のオレンジ色のやつでしょう。
で、今調べていて驚愕の事実を知りました! 私、これ読んだとばかり思っていましたが、まだ読んでいないことが判明。
エイモス・チュツオーラの作品で「ブッシュ・オブ・ゴースツ (ちくま文庫)」という本があります。私これは出た早々買って読みました。
これも森の中の化け物世界に迷い込む話なんです。私「ブッシュ・オブ・ゴースツ」と「やし酒のみ」は同じ小説だとばかり思っていたんですが、実は違うものだということを19年の時を経て、今知りましたよ。 20年近く気づかないなんてオレのバカ!
右の晶文社の方も Amazon では在庫ありということなんで、これを買おうと思います。