『国宝 土偶展』
2010/02/04 20:33 - アート巡り
平成21年1月30日(土)、上野は東京国立博物館で標記展覧会を見てきました。
複雑な文様や凹凸に富んだ意匠。まるで現代芸術のような斬新がとてもすばらしい。 縄文期の造形美は実に心に響きますねぇ。
土偶というと、呪術的な身代わりとして、意図的に破壊されたものという認識しかなかった。
でもそういったものよりもむしろ豊穣多産を祈る目的で、妊婦をかたどったものや、女性器や乳房、臀部を強調したり、妊娠線を描いたもの等も出土されているという説明を読んで、へぇ、といろいろ勉強になりましたよ。
生殖器崇拝というと、愛知県の田縣神社や、4月初期(4月4日に一番近い日曜日だったかな。と思ったら4月第1日曜日だった)におこなわれるニューハーフの祭として有名な川崎市のかなまら様(金山神社)等、現代でもその命脈は保たれているからなぁ。
また、先述したように、土偶というと必ず壊れているというイメージが強かったので、壊れた部分を補修した痕跡がある土偶(展示No.40 合掌土偶)というのは、けっこう驚きで、これまた勉強になりました。
展示されている土偶の数々は、どれもこれも個性的で目を瞠るものばかりなんですが、特に印象に残ったのは以下のようなもの。
かつてオカルトに嵌った者としては、やはり亀ヶ岡出土の「遮光器土偶(展示No.32)」を第一にリストアップせざるを得ない。
また、マンガ読みとしては見逃せないのは「ハート型土偶(展示No.16)」 タイトル忘れたけど水木しげるの漫画で『文明』って名前の神様はこれが元ネタだったなぁ。
また諸星大二郎の「猫パニック」に描かれた土偶(展示No.15)、「暗黒神話」や「孔子暗黒伝」の随所に描かれた土偶や土面などなど、あれも見たことあるこれも見たことあるという土偶が続出で、非常にワクワクしましたですよ。
仮面土偶(展示No.1)、立像土偶(展示No.14)、縄文のビーナス(展示No.39)がオレ的ベストスリー。
古代の造形美を見ていると、DNAが騒ぐというか、心の奥底を揺さぶられるような興奮を覚えますね。