『可能世界空間論―空間の表象の探索、のいくつか』
2010/02/13 22:12 - アート巡り
メディアアート展覧会第3弾は初台の ICC でおこなわれている『可能世界空間論―空間の表象の探索、のいくつか』
全部で4ブロックの作品が展示されてるんですが、なんかよく分かんなかったです。
そん中から二つだけ触れます。
都市の自己組織化をテーマにしたという『中心が移動し続ける都市』。
二つの映像と一つの立体が展示されていました。
私としては、自己組織化というと、いかにして自分を保ち続けるのか、という側面に想いが至ります。 免疫やホメオスタシス、細胞分裂などの生体機構を使って、生物がいかに自己と他者を区別し、いかに命を長らえ続けるのか、ということ。
それをメディアアート的なテーマとしたとき、コンピュータアルゴリズムによって無生物が、あたかも生物であるかのような動きを見せるというものを期待するわけです。
建築うんぬんで考えると、エヴァンゲリオンの第3新東京市のモード移行や、「ダークシティ(監督アレックス・プロヤス)」の変装する街に見られる建物群の動きのイメージが思い浮かぶ。
しかし、今回展示されている作品は、自己形成というよりもむしろ、崩壊を表現しているように見受けられました。 再生のための破壊ではなく、純粋なる崩壊や瓦解。
まぁ廃墟憧憬といった感傷も持ち合わせていますけど、自己組織うんぬんと言われたら、やはり発展・繁栄を期待するんじゃないでしょうか。
今さらウェブページの記述を読むに、これらの作品は「都市の不均衡を招く空間的自己組織化をゆるやかに解体・コントロールする方法論を、新しい幾何学と数理モデルによって提案」するものとのこと。
それでやっと納得しました。これはつまり死を表現したものだったんですね。
細胞レベルの死のメカニズムは、まぁ、私も大学でバイオをやった身としては、興味を惹かれないでもないけれど、生のメカニズムのダイナミズムと比べると静的過ぎて心が躍る要素は少ないなぁ。
折紙と構造をテーマにした『建築折紙』
「剛体折紙」の大仰さはなかなか感慨深いものがあります。
ユタ・ティーポットとかガウス曲面とかテトラポッドとか、何故紙で、とか一瞬思っちゃうけど、構造という観点から考えると、なかなか美しいものではありますね。
作者のフリッカーページにアップされた画像を見ていると、いろいろ楽しいですよ。幾何学模様の山と谷で波打つ構造とか。