『MOTコレクション(常設展)』
2010/02/16 20:16 - アート巡り
『サイバーアーツジャパン─アルスエレクトロニカの30年』『MOTアニュアル2010:装飾』と一緒に、東京都現代美術館で見てきた3つ目の展覧会は常設展です。
以下のような3本立ての構成で展示がおこなわれていました。
- クロニクル1945, 1951, 1957-戦後日本美術を見直す
- 『アメリカの絵画』1950s・1960s
- 特集展示 岡乾二郎
ポップアート嫌いな私は第2特集はノーコメント。 第3特集は心に響かない抽象絵画でこれまたノーコメント。
やはり戦後日本美術ですよ。
戦後間もない油絵は、その時節柄のせいか、テーマも見た目も、救いようのない実に暗い印象を受けます。
美しいものも大好きですが、このような暗鬱なるものも私は好み。
またこの時期発展した日本のシュルレアリスムは生活に根ざしたというか、切実というか、せっぱ詰まったような心にグッと迫るものがあって好きなんですよねー。
今回の MOTコレクションでは、日本シュルレアリスム史を語るときに必ず引き合いに出される1枚の絵、鶴岡政男の『重い手』が展示されているというので、それを目当てに行った次第。
この暗さ。やりきれなさ。閉塞感。何だか生きる望みを根こそぎ奪い取られるようなこの迫力。生まれてすみません生きててすみません。
あと、漆原英子という画家の「Eidolon」という油彩画に目を惹かれました。
赤と黒の色遣い。画面一杯に占めるモチーフの不気味さ。光が放たれているかのような描かれ方。 迫力のある作品でした。