宇宙人東京に現わる
2006/06/26 21:30 - あ行
(宇宙)人は見かけで判断しちゃいけませんね。
子供の時分に怪獣百科みたいな本で、このパイラ人を見たときは、てっきり地球を侵略する悪の宇宙人だとばかり思いこんでいました。
だってヒトデみたいな格好の真ん中に目が一つなんですよ。
でも、実際に映画を観て、長年の思いこみがとんでもない大間違いだと知らされて、大いに反省することしきりです。
ま、それはともかく。
せっかくパイラ人というあんなに素晴らしいクリーチャーを岡本太郎先生に創造させておきながら、その出番がごくごく僅かというのが誠に遺憾です。
制作陣はいったい何を考えているでしょうか。さっぱり理解ができません。
しかしそんな少ない出番でもそのインパクトたるや水爆級。
外見の奇抜さ斬新さもさることながら、その行動パターンも斬新過ぎて、笑いを抑えることができません。
字幕でしゃべる会話もなかなかイカしていますが、勇気ある同志を褒め称える動きがステキ過ぎです。
東京下町の畳ちゃぶ台の由緒正しい日本家屋と宇宙人の取り合わせ。
琵琶湖畔の料亭で芸者をあげての大どんちゃん騒ぎと宇宙人の取り合わせ。
シュールな、あまりにシュールなその取り合わせには眩暈を禁じ得ない。
この感性はスゴ過ぎです。
ぶっちゃけ、天体Rの来襲だの、原爆より強力なウリウムだの、宇宙人会議以降の展開は退屈なんでどうでもいいです。
が、一杯飲み屋「宇宙軒」で繰り広げられるほのぼの東京下町人情話という俗なところからお話しが始まって、宇宙空間に漂うパイラの宇宙船内での宇宙人会議までの展開はとても味わい深い一品。
山に向かって「パーイラー」、の軽薄な若者批判もなかなか趣があります。