ハウルの動く城
2006/07/22 00:33 - は・ば・ぱ・う゛行
「ハウルの動く城」特報。
城がガチャガチャ音を立てながら霧の中から出現するこの映像を映画館で観たときには、体が打ち震えたものです。
今を去ること20年以上の昔、「風の谷のナウシカ」を大スクリーンで観たときの感動がまざまざと甦りました。
ナウシカの冒頭で提示される、動く王蟲の威容がその感動の源です。
セル塗りではなく、背景レベルの描き込みをした甲羅をひとつひとつ分割して、それを別々に動かしてアニメート。 王蟲の巨大さ・重量感が実に見事に表現されていました。
そんな、王蟲と同じ表現手法で描かれた歩く城のシーンが、アバンタイトルとして開幕早々に出てきたのには、度肝を抜かれるとともにおおいに期待に胸を膨らませました。
でも、この後、一気に株が大暴落するんでした(落胆)。
何がアレと言って、倍賞千恵子のキャスティングはダメ過ぎでしょう。
たしかに声質だけを取ってみると18歳も90歳も違和感がなかったけど、セリフの抑揚や間の取り方はやはり老成した女性のそれ。 こんなんで18歳でーす、と言われてもムリあり過ぎ。全然説得力がない。
反面、キムタクは意外な収穫。
出てきた当初は、どうなのかなぁ、って感じでしたが、髪が変な色に染まったときの駄々っ子しゃべりを聞いた瞬間、私の中で何かがハジけました。
あとマルクルが徹頭徹尾カワイイ。老人物真似声が愛くるし過ぎて困ります。
しかし何かスッキリしません。
原作自体の問題なのか、それとも、原作の処理の仕方が問題なのかは知らないけれど、他の宮崎アニメと較べると、観てる方としてはテンション下がります。
「引っ越しよ!」とか言ってカルシファーを城の外に連れ出して城を崩壊させた次の瞬間、城の中に舞い戻り、カルシファーを炉にくべて城を動かすことを強制するソフィ。行き当たりばったり過ぎ。
安っちい戦争批判に萎え萎え。
この程度の役割ならカブいなくてもいいじゃん。
そんなこんなで、宮崎アニメとしてはちょっと粗が目立ちます。
まぁでも、そんなことは些細なことなので目をつぶりますよ。
何が気に入らないって荒れ地の魔女ですよ。
輿の中にギュウギュウに収まるブヨブヨと膨れあがった体躯。その輿の窓を占拠する不気味で巨大な顔。
そんなとてつもない威圧感を発するルックスなんだから、当然途方もない悪の権化かと期待していたのに、トリックスターにすらなれない三流魔女だったとは、開いた口がふさがりません。
堂々と王城に乗り込んでおきながら、宮廷魔法使いに瞬殺で魔力剥奪されて只の人間にされるし、その後はずっとハウルの城でペット状態。口先だけは思わせぶりなことを言うけれど、物語の展開にこれといった役割を果たさない。
しかもあれだけ執着したカルシファー(ハウルの心臓)も、娘っ子の強いハグであっさり譲渡。
尺の関係か何か知らないけど、もっと暴れまくって物語に破壊と混乱を招けよ。 獅子身中の虫としてハウル一味をもっと苦しめろよババア。
こんなヘボいキャラに三輪明宏先生を煩わせるなんて、全くもって許せん。
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